
黒にんにくは、白にんにくを熟成させることで栄養価がさらにパワーアップした食品として注目を集めています。
では、そんな黒にんにくには、具体的にどのような栄養成分が含まれているのでしょうか。
今回は黒にんにくの栄養成分や、副作用について紹介します。
「最近疲れがとれない」「仕事へのやる気や集中力が低下している」と感じる方は、黒にんにくに含まれる豊富な栄養成分を摂取してみてはいかがでしょうか。
黒にんにくと白にんにくの違いとは
真っ黒な見た目が印象的な黒にんにくは、スーパーなどで見かける機会がまだ少ない食品と言えます。サプリメントなどにも含まれることが多い黒にんにくには、一般的によく見かける白にんにくとどのような違いがあるのでしょうか。
こちらでは「興味はあるけれど、手が出しづらい」と感じている方に、黒にんにくの基礎知識について紹介します。
黒にんにくが黒い理由
「黒にんにく」は名前の通り黒い見た目が特徴です。この色味から、黒にんにくは白にんにくとは別物だと思われる方もいるでしょう。しかしこの2つのにんにくは、元々は全く同じにんにくだったのです。
黒にんにくは、白にんにくを一定の環境下(高温・高湿)に約1ヶ月程度置き、熟成させて作ります。熟成する過程で色が黒く変化していくのですが、この現象を「メイラード反応」と呼びます。
パンやお肉に熱を加えて焼くと、元々の色から変化して茶色くなりますよね。にんにくもこれと同じように、熱とにんにくの成分が反応することにより黒くなります。色が変化しても品質には問題ありませんので安心してくださいね。
黒にんにくは匂いや味が違う
黒にんにくはじっくりと熟成されることによって、栄養成分が凝縮されます。また、熟成された黒にんにくはドライフルーツのような甘味と、ねっとりとした食感に変化するため、調理せずともそのままおいしく食べられるのが特徴です。
にんにくをそのまま食べると聞くと「匂いが気になりそう」と心配する方もいるでしょう。黒にんにくは白にんにくと違い、食べても特有の強い匂いはほとんどしません。そのため、お出かけ前や、朝に食べても安心です。
黒にんにくは栄養成分がアップする
黒にんにくは熟成させることで栄養成分が凝縮され、さらに白にんにくには含まれない「S-アリルシステイン」という新しい成分が生成されます。
S-アリルシステインはアミノ酸の一種で、強い抗酸化作用があるとされます。疲労感軽減や睡眠の質を上げる他に、有害なウイルスを撃退する働きを持つ「NK(ナチュラルキラー)細胞」を助ける働きがあるとわかっています。
この他にも黒にんにくは、白にんにくと比べてアミノ酸総量が約2.3倍。また100gあたりの赤ワインと比べてポリフェノール含有量が約13倍と豊富な栄養成分を含んでいます。
黒にんにくに含まれる栄養成分
こちらでは、黒にんにくに含まれる主な栄養成分についてみていきましょう。豊富な栄養成分を含む黒にんにくの中でも、特に注目したい栄養成分を3つご紹介します。
また、近年、スーパーフードとして注目される黒にんにくは多くのメーカーによって製造・販売されています。黒にんにくを選ぶ際には、栄養成分と併せて、産地なども参考にすると安心して食べられるためおすすめです。
それでは黒にんにくに含まれる栄養成分についてみていきましょう。
アミノ酸
アミノ酸は私たちの身体を作るために重要な栄養素です。内臓や皮膚、血管や筋肉などを作る元となるタンパク質はアミノ酸で構成されているのです。
アミノ酸には約500種類があるとされていますが、その中でも私たちの身体に必要なものは20種類。その内11種類は「非必須アミノ酸」と呼ばれ、体内で作ることができます。しかし後の9種類である「必須アミノ酸」は体内で作られないため、食品から摂取しなければなりません。
黒にんにくには、この必須アミノ酸である9種類が全て含まれています。
また、必須アミノ酸には成長促進・新陳代謝の促進・安眠効果・抑うつ効果などが期待できます。
ポリフェノール
黒にんにくには、赤ワインの約13倍ものポリフェノールが含まれています。ポリフェノールは抗酸化作用が強いため、老化の元となる有害な物質を無害なものへと変えてくれる働きがあります。
私たちの身体は、紫外線や喫煙、ストレスや大気汚染などのさまざまな状況から影響を受けることでダメージを蓄積していきます。
黒にんにくは身体のサビ(老化)を防ぐポリフェノールを多く含むため、毎日を若々しく過ごすために取り入れたい食品です。
リジン
リジンは必須アミノ酸の1つです。体内で作ることができない成分であるため、黒にんにくで補いましょう。
リジンには多くの作用がありますが、主なものには次のような働きがあります。
・集中力アップ
・疲労回復
・肝臓機能強化
・免疫力向上
・カルシウムの吸収促進
・ホルモン・酵素の生成
リジンが不足すると脳にブドウ糖がスムーズに送られなくなります。これにより「集中力が落ちる」「疲れが取れにくい」などの不調が現れやすくなるため、日頃から意識的に摂取しなければなりません。
また非必須アミノ酸であるアルギニンと組み合わせることで、ストレスホルモンを抑制できます。「最近仕事や勉強に集中できない」「疲れやすい」と感じる方は、リジン(アミノ酸)を豊富に摂取できる黒にんにくを取り入れてみましょう。
黒にんにくに副作用はある?
身体も心も健康に過ごすためには、必要な栄養成分を意識的に摂取する必要があります。黒にんにくは栄養素を豊富に含むため、家族みんなの栄養補給におすすめです。
しかし「にんにくを食べすぎるとよくないのでは」と心配する方もいるでしょう。
こちらでは黒にんにくの副作用について紹介します。黒にんにくの注意点について知っておくことで、毎日安心して食べられるようになりますよ。
副作用はほとんどない
結論をお伝えすると、黒にんにくには体に刺激を及ぼすような副作用はほとんどありません。そのため、生の黒にんにくであっても安心して食べることができます。
白にんにくは生のままだと刺激が強く、胃の粘膜や胃壁が荒れてしまうことがあります。大量に摂取すると、強い殺菌成分「アリシン」の影響で、腹痛や下痢を引き起こす恐れがあるため注意しなければなりません。
黒にんにくは、熟成される過程でアリシンがほとんどなくなっています。そのため白にんにくのような副作用について心配する必要がありません。
とはいえ一度にたくさんの栄養成分を摂取しても、全てが吸収されるわけではありません。黒にんにくを食べる際には少量を毎日継続して食べることをおすすめします。
子どもが食べても大丈夫
身体への刺激が少ない黒にんにくは、子どもも食べられる食品です。しかしたくさん食べると腸の働きが活発になりすぎる可能性があるため注意しましょう。
初めて子どもに黒にんにくを食べさせる場合には、半粒から3分の1程度の量から試してみるとよいでしょう。数日食べてみて便がゆるくなったり、胃もたれを引き起こしたりしなければ問題なく食べられるということです。
1日の摂取目安
黒にんにくは薬やサプリメントではないため、1日の摂取量に決まりはありません。また好きな時間に食べればよいため、食事に加えたり、おやつにしてみたりと、お好みに合わせて食べてみましょう。
黒にんにくのおすすめの摂取量は、1日に1〜3粒ほどです。朝に食べれば1日のエネルギーチャージに役立ち、夜に食べればその日の疲労回復に効果的で、かつ安眠効果も期待できます。
まとめ
黒にんにくは白にんにくに比べて、豊富な栄養成分が魅力です。高い栄養価がありながら、にんにく特有の匂いがほとんどしません。また、ドライフルーツのような甘みがあるため、成長期の子どもや、加齢が気になり始めた大人の方も手軽に食べられるのがポイントです。
黒にんにくに副作用はほとんどありませんが、たくさん食べれば効果がより感じられるというものではありません。1日の摂取目安量を参考にして、毎日食べることを継続していきましょう。