さまざまな料理に使うことができるにんにくですが、一度の調理で大量につかうわけではないため、
余りがちな食材でもあります。
賞味期限が記載されているわけではないため、にんにくがどの程度日持ちするのか気になる人もいるのではないでしょうか。
今回の記事では、にんにくの賞味期限について、賞味期限の目安や期限が過ぎたものの見分け方、おすすめの保存方法について解説します。
【種類別】にんにくの賞味期限
栄養素が高く、健康食品として知られているにんにくですが、賞味期限は種類により異なります。
下記のそれぞれのにんにくの賞味期限を見ていきましょう。
・加工していないにんにく
・スライスしたにんにく
・チューブのにんにく
・にんにくの芽
加工していないにんにく
スーパーなどでよく見かける加工していないにんにくは、さまざまな料理に用いられる万能食材です。豊富な栄養素かつ価格もそれほど高くないため、どのような料理にも手軽に使うことができます。
加工していないにんにくの賞味期限は、常温保存なら2週間程度となります。状態の良いものなら1ヶ月ほど持つ場合もあります。
一般的な野菜はほとんどのものが水分量が多いため、日が経ち乾燥してくると食べられなくなってしまいますが、にんにくの場合、市場に出回るものは長期保存できるように「高温乾燥処理」がなされている場合が多いです。
しかし高温乾燥処理がなされているにんにくでも、長期間経過すると雑菌が繁殖して腐ってしまうため、イメージほど賞味期限が長くないです。
出来るだけ長持ちさせたいなら冷凍で保存するとよいでしょう。冷凍で保存した場合の賞味期限は半年~1年ほどとなります。
スライスしたにんにく
スライスしたにんにくの賞味期限は、生にんにくをスライスした場合と乾燥にんにくをスライスした場合で異なります。
生にんにくをスライスした場合はあまり日持ちはしないため、なるべく早く使うようにしましょう。目安としては、冷蔵保存なら数日、冷凍保存なら1ヶ月です。常温での保存は避けてください。
乾燥にんにくをスライスした場合は、乾燥にんにくの時点で比較的賞味期限が長めなため、スライスしたものも2週間~1ヶ月ほどは大丈夫です。
また、市販の乾燥スライスにんにくは採れたてのにんにくを乾燥させたもので、保存性を高めてあるため、数ヶ月ほど持つ場合が多いです。
チューブのにんにく
取り出しやすく、さまざまな料理に活用できる市販のチューブにんにくは賞味期限が比較的長いものが多く、未開封なら半年~1年ほどが目安となります。
開封後はなるべく早く使うべきですが、それでも1ヶ月ほどはまず大丈夫です。
にんにくの芽
にんにくの香りとシャキシャキとした食感からさまざまな料理に使うことができるにんにくの芽ですが、実は芽ではなく、花をつけるために伸ばす茎の部分を指します。
水分量が多いため賞味期限は短く、目安としては数日~2週間程度です。
常温での保存は避け、なるべく早く食べるようにしましょう。
出来るだけ日持ちさせたい場合は冷凍保存がおすすめです。
【種類別】賞味期限が切れているにんにくの見分け方
他の野菜と同様に、にんにくも賞味期限が切れているかどうか見極める方法があります。
どのように見分けるのか、下記の種類ごとに見ていきましょう。
・加工していないにんにく
・スライスやチューブのにんにく
加工していない白にんにく
1.色で見分ける
常温で保存していた場合、まず見るべきポイントはにんにくの色です。
皮の色が黄色や茶色、オレンジ色になっている場合は腐っている可能性が高いです。
ただし、色が変化していても上記の色以外なら問題ありません。にんにくの成分が化学反応を起こすことで変色する場合があるためです。
2.食感やにおいで見分ける
また、賞味期限が切れている場合は色のほかに食感やにおいにも変化があります。
表面がねばねばしていたりぬるぬるしている、または皮に湿りがある場合は高確率で腐っています。
においに関しては、腐っていると酸っぱいにおいに変化します。
3.芽で見分ける
冷蔵で保存した場合の判断基準は芽が出ているかどうかです。
ただし、常温の場合と同様、芽が出ていたからといって状態が悪くなっているわけではなく、あくまでも賞味期限切れが近づいてきているというだけです。
しかし、栄養素が発芽に使われてしまっている分、味や風味は落ちている場合があるため、芽が出ていたら早めに使うようにしましょう。
4.カビで見分ける
冷凍で保存した場合、賞味期限が切れたにんにくにはカビが生えている場合があります。
カビが生えていた場合は食べずに捨てるようにしましょう。
また、冷凍焼けしていた場合も状態が悪くなっているため、食べないほうが無難です。
スライスやチューブのにんにく
1.色で見分ける
スライスやチューブのにんにくの場合は色に着目しましょう。黄色や茶色に変色しているものは傷んでいます。
緑色に変色する場合がありますが、これはにんにくの鉄分が酸化したことが原因です。
傷んだり、腐っているわけではないため食べても問題ありません。
ただし、酸化するということはそれなり日が経っていることを意味するため、風味は落ちている可能性が高いです。
2.食感やにおいで見分ける
また、加工していないにんにくのように、においや食感でも判断できます。チューブのにんにくは普通はさらっとしていますが、賞味期限が切れていると粘り気が出てきます。
特にチューブのにんにくは腐りにくくするための防腐剤が入っているため、においや食感に違和感があったら相当状態が悪くなっているといえるでしょう。
【保存法別】にんにくの日持ちがよくなる保存のコツ
少しでもにんにくの日持ちを良くするためには、保存方法を気に掛ける必要があります。
どのように保存するのが最適なのか、下記の3つの保存方法をそれぞれ見ていきましょう。
・常温で保存する場合
・冷蔵で保存する場合
・冷凍で保存する場合
1.常温で保存する場合
加工していないにんにくは常温で保存することができます。他の種類を常温で保存することは避けましょう。特に、にんにくの芽は水分量が多いため常温保存には不向きです。
にんにくは日光や高温多湿に弱いため、日陰で風通しの良い場所に保存するようにしましょう。
生にんにくの場合は、乾燥させることで賞味期限を延ばすことができます。ネットに入れ、日陰に吊るして乾燥させることをおすすめします。
また、生にんにくは気温が高い状態だと芽が出てきてしまうため、気温が高い時期の常温保存には適していません。
冷蔵庫で保存したとしてもいずれ芽は出てくるのですが、常温かつ日が当たる環境だとより早く芽が出てきてしまいます。
2.冷蔵で保存する場合
加工していないにんにくを冷蔵で保存する場合、常温よりは長持ちします。目安としては1ヶ月~2ヶ月程度です。
野菜は基本的に冷暗所や野菜室で保存しますが、にんにくは寒さに強い性質があるため、冷蔵庫がおすすめです。
冷暗所や野菜室は冷蔵室よりもやや設定温度が高めのため、発芽しやすくなってします。
冷蔵で保存する場合はそのまま保存するのではなく、新聞紙などに包むようにしましょう。新聞紙に包むことで、湿気からにんにくを守ることができます。
また、他の食材ににおいがうつらないように、さらに密閉袋に入れておくことをおすすめします。
料理に使い、余った分のにんにくに関しては新聞紙ではなくラップで包んでも問題ありません。
スライスしたにんにくを保存する場合も同様にラップに包みます。空気に触れないようしっかりと空気を抜いておくことが長持ちさせるポイントです。
スライスしたにんにくもやはりにおいが気になるため、密閉袋に入れておきましょう。
また、スライスしたにんにくを複数同時にラップに包む場合は、にんにく同士が触れることがないように保存してください。
にんにくの断面は水分が多いため、触れた状態で保存しておくとにんにく同士がくっついてしまう可能性があるためです。
にんにくの芽を冷蔵で保存する場合は、切らずに長いまま保存するようにしましょう。
切ってしまうと断面積の分だけ表面積が広くなり、酸化がより早く進むようになってしまいます。
なるべく乾燥するのを防ぐために袋などに入れるのもおすすめです。
3.冷凍で保存する場合
加工していないにんにくを冷凍で保存する場合は、皮をむいて冷凍する場合と皮付きのまま冷凍する場合の2つの方法があります。
皮をむいて冷凍すれば調理にかかる手間を減らすことができますが、なるべく日持ちさせるなら皮付きのまま冷凍することをおすすめします。
皮付きのまま冷凍で保存した場合は賞味期限が半年~1年ほどなのに対し、皮をむいて冷凍で保存した場合は冷蔵と大差ない賞味期限となってしまいます。
皮付きで保存する場合も、加工していないにんにくをそのまま保存するのではなく、小房に分けてからラップで包むようにしましょう。
冷蔵で保存する場合と同様の理由で、密閉袋に入れておくことをおすすめします。
また、にんにくは冷凍しても中まで凍ることがないため、解凍する必要はなく、そのまま調理に使うことができます。
ただし、冷凍したことで食感が変わってしまうため、そのまま食べるのには不向きです。冷凍したにんにくは基本的に火を通すようにしてください。
スライスしたにんにくを冷凍で保存する場合は、にんにく同士が触れることがないようにラップに包み、密閉袋に入れて保存しましょう。
にんにくの芽を冷凍で保存する場合は、下処理が必要です。塩を加えたお湯で1分ほど茹でた後、氷水に素早く入れましょう。
にんにくの芽が冷えたらざるで水気を切り、表面に残った水分もキッチンペーパーで拭き取ります。
冷凍で保存する場合は切っても切らなくてもどちらでもかまいませんが、切って保存する場合はにんにくの芽同士が重ならないようにしましょう。
にんにくの賞味期限を延ばす方法3つ
にんにくの賞味期限を延ばす方法として保存のコツを紹介しましたが、加工方法によっても賞味期限を延ばすことができます。
どのように加工するべきか、それぞれ紹介します。
ガーリックチップ
ガーリックチップは簡単に作ることができるためおすすめの加工方法です。
ステーキのトッピングをはじめ、さまざまな料理に使うことができます。
スライスしたにんにくを使い、弱火でゆっくりと揚げていきましょう。使う油はサラダ油やオリーブオイルがおすすめです。
通常、スライスしたにんにくは冷蔵で保存したとしても数日しかもちませんが、ガーリックチップにすれば1か月程度保存することができます。
密閉容器に入れ、冷蔵庫で保存しましょう。
オリーブオイル漬け
オリーブオイル漬けも人気の加工方法です。パスタやサラダなど主に洋食で重宝されます。
オリーブオイル漬けにする際は、小房に分けた後うす皮を剥き、乾燥した瓶に入れます。にんにくも瓶もしっかりと消毒しておきましょう。
カットの方法はスライスでもみじん切りでもお好きなもので構いません。
瓶ににんにくを入れたら、にんにくがしっかりと浸かるまでオリーブオイルを入れ、蓋をします。
基本的には冷蔵庫で保存しますが、常温でも保存可能です。常温で保存する場合は、日が当たらない、なるべく涼しい場所に保存するようにしましょう。
保存した翌日から調理に使うことができます。
賞味期限の目安は、ガーリックチップと同じく1ヶ月程度です。
醤油漬け
最後に紹介する加工方法は醤油漬けです。作り方はオリーブオイル漬けとよく似ており、小房に分け、うす皮を剥いたにんにくを瓶に入れ、にんにくがしっかりと浸かるように醤油を入れるだけです。
オリーブオイル漬けは翌日から使うことができますが、醤油漬けは3週間ほど寝かせる必要があります。
賞味期限は非常に長く、1年ほど持ちます。生にんにくのように使えるほか、カレーの隠し味などにも有用です。
まとめ
今回の記事では、にんにくの賞味期限について、賞味期限の目安や期限が過ぎたものの見分け方、おすすめの保存方法について解説しました。
にんにくを出来るだけ長持ちさせたいなら冷凍保存がおすすめですが、にんにくを加工することでも賞味期限を延ばすことができます。
にんにくは種類や保存方法によって賞味期限が異なるため、にんにくを保存する際の参考にしてみてください。